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『あっ!三谷さん、明日遅番ですね?』
「ん?」
勤務表に目を向けて頷いた。
『じゃあ…一人であの場所へ行くの、初めてなんですね?』
「あの場所?」
『はい!私が入る少し前みたいなんですけど…』
中田さんは声を潜めるようにして話を続けた。
『加々見交差点…。あそこで事故があったんですって。』
「加々見…交差点?」
それなら毎日通る交差点だ。
昼間はそこそこ人通りや車通りが盛んな場所。
住宅に近いせいなのか、夜はあまり車も人も見かけない。
『そこの交差点を一人で運転すると後部座席に誰も乗車していないハズの女性が見えるらしいですよ…。』
「はぁ?」
なんだそれ。
思わず笑ってしまった。
「若い子はそういう怪談話好きだな!」
『もう!三谷さんったら…。信じないんですか?』
中田さんは口を尖らせた。
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