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現実逃避するように私の意識は子供の頃へと飛んでいく。
私は8歳でこの国に嫁いできた。
お相手は私と同じ8歳のこの国の王子殿下。
嫁いですぐの頃は、両親や祖国を想って泣いたりもしたけれど、段々とこの国にも慣れ、それもなくなった。
もともと活発で勝ち気な性格だった私は、夫である王子殿下をよく剣の手合わせや遠駆けに連れ出した。
王子殿下は、内向的で体を動かすよりも1人で本を読んだりするのが好きな人だった。
それでもイヤな顔一つせず私のワガママにいつも付き合ってくれた。
私とはまったく正反対の穏やかで優しい性格のためか、よく女官達に「お2人の性格が逆なら良かったのに」と言われたものだ。
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