0人が本棚に入れています
本棚に追加
一定の教育目的を達成するために、教師が児童、または生徒、または学生に向けて、知識や技術を計画的・組織的に伝授する施設。
における、施設ごとに有する複数の教科・科目の中からそのいずれかに属する、一定の時間に継続して知識・技術を伝える割り当ての、一日に決められたノルマを終えた後、
纂と陸巳は、つまり放課後に彼らは、例の男を訪ねてあの橋へと向かった。
世界の何たらについて、色々と問い質すためだ。
男:「耳の調子はどうかね?」
何の前置きもなしに男は問うた。
彼らが一昨日のショックから立ち直れたかとか、《保衡者》としてやっていく覚悟はできたかとか、男には僅かとも興味をそそられる事柄ではないらしい。
自分の耳が、世界のバランスの乱れを察知するセンサーであるのを纂は思い出した。
纂:「特に異常は無いわ。」
男:「そうかね。それならば言うことは無い。」
男はこの日も、橋の欄干に背をもたれて地面に片膝を立てて座っていた。
男:「世界の均衡は保たれた。祝福すべきことだ。」
人の死によってもたらされたことを〝祝福すべき〟だとのたまう男に、纂は腹の奥がグッと熱くなるのを感じたが、口には出さずに我慢した。
小言を挟んだところで意味はない。
この男に、尋常な感性など備わっていないのだから。
陸巳:「色々お聞きしたいことがあって、今日はお訪ねしたのですが、よろしいでしょうか?」
男:「構わんよ。もとよりそのつもりで、私はここにいるのだからな。」
地面に反射させた声で男は応えた。
最初のコメントを投稿しよう!