鬼から、ヒロイン募集のお知らせです。

5/8
前へ
/8ページ
次へ
「予算が無いので、スタントマンを雇えないんです。でも皆さん、顔も格好いいから、是非とも!」 ……この女、なかなか分かってるじゃねーか。 「で、犬、キジ、猿の三人の依頼ですか。因みに予算は……?」 俺が尋ねると、女はスマホの電卓をポチポチさせた。 「お一人、これぐらいでどうか……」 そう表示した額は……。 平均依頼額の10分の1の値段だった。 「えーっと、バイクの戦隊シーンは?」 「あります!」 「爆弾か火の中を潜ったり、崖から飛び降りたりとか」 「全部あります!」 ……全部あるのかよ。 「申し訳ないけど、スタントマンって命がけなんだよ。だから、莫大な保険に入っているし、この額で長時間、しかも三人も拘束されるなら、『ONIGASHIMA』は破産だ」 なかなかの魅力的なおっぱ……話だが、 マイナス面が強すぎる。 そう思って、苦渋の発言だったのに……。 バァァッン!! 「鬼島さん、酷いっす!」 号泣しながら、扉をぶち抜きやがったのは、 猿渡 忍(さるわたり しのぶ)二十歳のバッリバリの元ヤンキー。ホウキみたいにパリパリに立たせた髪が怖い。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加