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私が如何なる理由で所謂猫娘になったのかはひとまず置くとして、夫のフランツについて少しお話しします。
まず始めに申し上げますが、夫はドイツの出身ではありません。
殆どの人がその名を初めて耳にするであろう、エバードリムという国の出身なのです。
エバードリムの場所は…
今は物凄く遠い場所とだけ申し上げておきます。
そのエバードリムこそ現在私たち家族が暮らしている国であり、今の私の祖国なのです。
そして、ユキネちゃんと私が知り合った理由と深い関係がある国でもあります。
これを知っている方は殆どいないでしょう。
日本中どころかアジア中、いえ、世界中を探してみても。
何故ならエバードリムは…
「…銀華ちゃん?
…ホントに大丈夫?」
ごめんなさいユキネちゃん。
少し、いえ、かなり考え事が過ぎたようです。
「にゃん」
私がユキネちゃんの言葉に笑いながらそう答えると、ユキネちゃんは少し安心してくれたようです。
「そうだ銀華ちゃん。
友っちと疾風君、結婚五分前だって」
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