第1章

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「ああ、お前が解読してる研究資料を書いた人だろ。」 「うん。それで、その解読がこの間終わったんだけどさ。その内容に彼の夢が書かれてたんだよ。」 「夢・・?ってか解読はええな。えっと、あのブラックホールと一緒に見つかったから・・まだ3年しか経ってないだろ?あれ。で、なんて書かれてたんだ?」 「大雑把にすると、地球の歴史を完璧に再現して、それを観察したかったらしいね。」 「は?いやいや、無理だろそりゃ。人間の寿命で見れるわけないだろ。」 「うん、そうなんだけどさ、それでも諦められなかったらしくて。その夢を後世に残すみたいなことも書いてあってさ。僕も、あの人の研究の結果を見てみたくなったんだよ。」 「まあお前、前からあのブラックホールの中に入りたいとか言ってたしなあ・・。あ、それで冴川教授はお前に?」 「多分ね。僕に親族が居ないってのもあるんだろうけど。」 「まあ、俺はお前の意思を尊重させるさ。個人的には行って欲しくないけど・・。まあ、戻れなくなっても俺がなんとかしてやるさ。お前と会えなくなるのは寂しいしな?」 こいつホモなの?いまだに童貞とかいってたぞこいつ。女の子に言い寄られてるくせに。 ん?こいつから聞いたのかって? いやいや、ぼっちの聞き耳スキルをなめちゃあかんよ。 「あ・・ありがとう 。まあ、一応はメールみたいなことはできるから、なんとかなるよ。きっと。」 「それでも、さ。顔見れなくなんのはなんかやじゃん。あ、入ることにしたら、ちゃんと俺にも連絡くれよ?」 「うん、その時はよろしくね。」
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