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⑳
職場でも、結婚詐欺師の話で、もちきりだ。
ここの部署は、女性の独身者が多い。
「あの犯人、悪い人に見えませんでしたよね?」
「長身で男前だったですね。」
「でも、身籠らせて、何百万も奪ってたんでしょ!?」
「孕まして金取って、消え去る。最悪~!」
「それやのに、何で、女って気付かないんでしょうね!?
でも、裏切られたと分かったら、子供連れての被害者の会って!映ってた子供達、全員お父さん一緒ですよねぇ~。あー怖い。」
「もしかしたら犯人は、自分にとっての、本当のお姫様を探し求める為に、さ迷っていたのかもねぇ~。」
「どうします?そんな男が近付いてきたら…。」
「男前でしょ…どうするかしらね!?」
あのね…実はね…
貴方達が噂している、その人はね、私の良君なのよ。
良君は、さ迷い続けて、疲れて、最後は私を求めに現れたのよ。
だって、私は昔から知っている。
良君の全てを。
喚く女達は、良君に捨てられたから怒っているの。
私には、お金の事なんて一言も言わなかった。
そして、私を大切に扱ってくれた。
だから、私に迷惑が掛からないように、連絡先を教えなかったと思うの。
だって、私達は昔から知っているの。
私が選ばれた最後の女。
それが運命。
「パパを迎えに行こうね。良次郎君。」
私は、お腹の子供に話し掛けた。
私達は出会えたの。
それが、運命。
それが、同級生マジック。
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