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①
二ヶ月前…同窓会のお知らせメールが届いた。
暫くメールを眺めては、躊躇していた。
仲良しの同級生は素敵な家庭を築いていて、
その事を素直に羨ましいと思う気持ちと、
羨ましさと嫉妬との葛藤が、自分の中で距離を作り、最近は連絡さえしなくなっていた。
仕事ばかりの私は、忙しさに流され、
あっという間に時は過ぎ、
彼氏も出来ずで気付けばこんな歳になっていた。
そんな私は負け組って囁かれていそうで、なかなか参加するとのメールを送る事が出来なかった。
そんな時に優香里ちゃんからのメール。
(明日香、同窓会行ける?
私行けそうやけど、どぉ?
明日香覚えてるかなぁ?
私が好きだった荒君が来るらしいから、
私も行こうかと思って(*^_^*)
オジサンになっててガッカリするかなぁ~(>_<)
私の方がガッカリされるかなぁ~(ToT))
私は、メールを見て笑ってしまった。
優香里ちゃんは、既に四人の子供を持つ忙しいママ。
そのママが学生時代を思い出していたなんて。
その思い出は伝染するのか、私まで好きだった良君を思い出してしまう結果となり、
躊躇していた事さえ忘れ、参加するとのメールを返し、淡い期待を抱いてしまったのである。
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