第1章

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② 待ち望んでいた日がやってきた。 低血圧の私は、カーテンの隙間から覗く朝日さえ憎く、 起きるのが地獄の様に辛かったはずなのに、 最近は目覚めも爽やかに頭もスッキリしている。 この頃…ふとした時に、そして寝る前も良君の事を思い出してしまい、 昨晩はとうとう夢にまで学生時代の良君が現れた。 こんなに一人の男性の事を考えるなんて、 いったい何年ぶりだろう? 良君に会ったら、なんて声を掛けよう? 色んな事に頭を巡らせながら、美容室へ行く準備を始めた。 今日の担当の美容師さんは、 メイクもアップも思っていた以上に私を美しくさせてくれた。 朝の目覚めから、全て上手くいきそうな予感…。 優香里ちゃんとの待ち合わせまで、まだ時間があったので、ホテルのカフェに寄ってみた。 いつもなら敬遠してしまうホテルだけど、プロの技でキレイになれた私は、堂々とドアの前に立った。 今日、同窓会が行われるホテル。 つい最近リニューアルされ、前のホテルより少しお洒落になって、 オープンテラスでもカフェを楽しめるようになっている。 ご近所さんから、「パンは歯の丈夫な人しか食べられないけど、ケーキは美味しいよ。」と教えてもらっていたので、 コーヒーと、ラズベリーが沢山載っているケーキを頼んでから、 スマートフォンを取りだし、 既にホテルのカフェにいるとの旨を優香里ちゃんにメールをした。 返ってきたメールには、 (明日香ぁ~凄い~!(^^)!以心伝心~(^_-)-☆ 私もメールしようと思っていたところやってん! 早く着きすぎてしまって、明日香呼び出そうと思っていたところ~! では、向かいます(^O^)/) 彼女のメールを確認して、私はスマートフォンを鞄にしまった。
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