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③
ここは、私達学生時代の地元!
私は生まれた時から離れた事さえなく、実家での暮らし。
良君は、どこから来るのかなぁ~と考えていたら、優香里ちゃんが現れた。
駅前のホテルだから当たり前の事だけど、
優香里ちゃんの出現が、あっという間に私を現実の世界に引き戻した。
何も知らない優香里ちゃんは、私のケーキを見てウエイトレスさんに、
「同じのをお願いします。」と頼んだ。
と、同時に…
「明日香、あれって荒君よ…ね…?」
ガラス張りの店内…優香里ちゃんは、
一人の男性を目で追っていた。
確かに、面影は有る!!
だけど、あのスマートだった荒君は、
今見る限りでは、見事な恰幅のおじ様にしか見えなかった。
「私…帰ろうかなぁ…。
今日のこの日をどれだけ楽しみにしていたと思う!?でも現実は、こういうものよね…。」
優香里ちゃんのショックは相当だったようで、
旦那の甲斐性の無さを話し出したのをきっかけに、浮気までしていた事実まで、
息継ぎを忘れたかの様に語り出した。
幸せにしか見えなかった優香里ちゃんが、こんなにも大変だったなんて…。
目の前でブツブツ言いながらも、ケーキを食べる優香里ちゃん…。
四人のママも、一人の女性に戻りたい時、あるよね…。
でも、ごめんなさい…
実は私…
良君も、荒君みたいだったらどうしよう?って、
その事ばかり考えてしまっていた。
私達が別れてから、20年…。
あれから、良君の噂を少し聞いただけで、後は何も知らない…。
良君は、私の事知っているのかなぁ?
少しは会いたいって、思ってくれているのかなぁ…。
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