第1章

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③ ここは、私達学生時代の地元! 私は生まれた時から離れた事さえなく、実家での暮らし。 良君は、どこから来るのかなぁ~と考えていたら、優香里ちゃんが現れた。 駅前のホテルだから当たり前の事だけど、 優香里ちゃんの出現が、あっという間に私を現実の世界に引き戻した。 何も知らない優香里ちゃんは、私のケーキを見てウエイトレスさんに、 「同じのをお願いします。」と頼んだ。 と、同時に… 「明日香、あれって荒君よ…ね…?」 ガラス張りの店内…優香里ちゃんは、 一人の男性を目で追っていた。 確かに、面影は有る!! だけど、あのスマートだった荒君は、 今見る限りでは、見事な恰幅のおじ様にしか見えなかった。 「私…帰ろうかなぁ…。 今日のこの日をどれだけ楽しみにしていたと思う!?でも現実は、こういうものよね…。」 優香里ちゃんのショックは相当だったようで、 旦那の甲斐性の無さを話し出したのをきっかけに、浮気までしていた事実まで、 息継ぎを忘れたかの様に語り出した。 幸せにしか見えなかった優香里ちゃんが、こんなにも大変だったなんて…。 目の前でブツブツ言いながらも、ケーキを食べる優香里ちゃん…。 四人のママも、一人の女性に戻りたい時、あるよね…。 でも、ごめんなさい… 実は私… 良君も、荒君みたいだったらどうしよう?って、 その事ばかり考えてしまっていた。 私達が別れてから、20年…。 あれから、良君の噂を少し聞いただけで、後は何も知らない…。 良君は、私の事知っているのかなぁ? 少しは会いたいって、思ってくれているのかなぁ…。
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