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職場でも、結婚詐欺師の話で、もちきりだ。 ここの部署は、女性の独身者が多い。 「あの犯人、悪い人に見えませんでしたよね?」 「長身で男前だったですね。」 「でも、身籠らせて、何百万も奪ってたんでしょ!?」 「孕まして金取って、消え去る。最悪~!」 「それやのに、何で、女って気付かないんでしょうね!? でも、裏切られたと分かったら、子供連れての被害者の会って!映ってた子供達、全員お父さん一緒ですよねぇ~。あー怖い。」 「もしかしたら犯人は、自分にとっての、本当のお姫様を探し求める為に、さ迷っていたのかもねぇ~。」 「どうします?そんな男が近付いてきたら…。」 「男前でしょ…どうするかしらね!?」 あのね…実はね… 貴方達が噂している、その人はね、私の良君なのよ。 良君は、さ迷い続けて、疲れて、最後は私を求めに現れたのよ。 だって、私は昔から知っている。 良君の全てを。 喚く女達は、良君に捨てられたから怒っているの。 私には、お金の事なんて一言も言わなかった。 そして、私を大切に扱ってくれた。 だから、私に迷惑が掛からないように、連絡先を教えなかったと思うの。 だって、私達は昔から知っているの。 私が選ばれた最後の女。 それが運命。 「パパを迎えに行こうね。良次郎君。」 私は、お腹の子供に話し掛けた。 私達は出会えたの。 それが、運命。 それが、同級生マジック。
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