10中八九、きみに夢中【2】

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あれから2年。 決して晴れの日ばかりではなかった私たちの恋。 手を繋いで歩く日もあれば、美雪の家で散々泣き明かした夜だってある。 それでも、私は彼の言葉を信じ続けた。 付き合って間もない頃に言われた、夢物語のようなあの言葉を。 「紗弓、覚悟はできてる?」 「フン。世界一幸せになる覚悟ならとうの昔に出来てたわよ。」 「違うよ。………宇宙一だ。」 そうして今、塗ってもらったばかりのグロスが彼によって落とされる。 「好きよ、太一…。ずっと、あなただけ。」 「先に言わないでよ。僕の方が、ずっと好きだったのに…。」 木漏れ日の指す、麗らかな春の空の下。 ヴェールに包まれた自分を捧げて私は誓う。 ねえ、太一。 あなたの前でだけは、本当の私でいさせてね。 この先もずっと、ずっと…。 * END
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