第1章   記憶の欠片

2/37
前へ
/60ページ
次へ
  《1》失われた記憶 「うぉぉぉ・・・」  手や体に着いた血  周りは赤い血の海  鉄臭い血の匂い  『何だ、ここは? 私は・・・』  頭の中で、何かが暴れている頭が痛い!    頭を抱え地面にうずくまりのたうち回る、  どの位時間がだったのだろう?  かすむ目と朦朧とした頭で立ち上がり  おぼつかない足取りで歩き出す。   足下にあった死体に蹴躓き、  転がりそのまま意識をなくした。  目が覚めると、白い天井、消毒薬の匂い 『ここは、病院か?  私は・・・いつっ・・・』    自分の事を思い出そうとすると、  頭が割れるように痛く、身体中痛みの為  力も入らない。遠くで声が聞こえる。 「先生、目が覚めたみたいです」 「そうか、じゃあ見てみるか」  遠くから近づく足音、カーテンを引き、  顔を覗きこんできた。 「鏡君体調はどうかな?  いや~無事でよかった」 「体が痛くて動かせません。  誰ですか鏡とは?私のことですか?  あっっ!頭が痛いっ!」 「えっ!もしかして、私達の事もお忘れですか?」 「うっ・・・はい、何も」
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加