第1章

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心はズタボロに痛くって。 悲しくて、辛くって。 悔しくて、恥ずかしくて。 訳のわからない感情に押しつぶされそうだった。 涙は見せたくなくて、すぐに後ろを振り返り全力で走って、逃げた。 「うえーん。えぐっえぐっ。」 いつぶりだろうか。 こんな風に声をあげて泣くのは。 辛すぎて頭がおかしくなりそう。 泣きすぎて喉も頭も痛かった。 だけど止まらない、止めなれない。 後から後から涙は枯れる事なく溢れてきて、心はずっと痛いまま。 『好きです』 たった一言の告白。 勇気を振り絞ってたった一言思いを告げただけなのに。 こんな苦しい思いをするくらいなら告白なんてしなければよかった。 知らなければよかった。 告白をする数時間前に戻って自分の告白を引き止めたい。 なんておろかだったんだろう。 一人だけ盛り上がってて。 私、バカみたい。 「最低だよぉ。」 自分も、彼も、由美も。 最低だ。 「おーおー。随分豪快に泣いてんな。JKよ。青春か?」 逃げてきた公園のベンチ。 いつの間にか隣におっさんが座ってた。 「げっ。何ですか。」 何、この人。 変な人が来たので場所を変えようと立ち上がりかける。 「まぁ、待ちなよ。JK。」 「いえ、大丈夫です。」 引き止められるけど、変な人に関わりたくないから強引に逃げようと立ち上がる。 「まぁ、おっさんに話してみなよ。その涙の訳をよ。」 「結構です。」 後ろも振り返らずにその場を立ち去る。 何この変なおっさん。 変質者かしら。 あの公園気に入ってたんだけど、もう近づかないほうがいいかな。 一人になりたい時によくあの公園のベンチに座って一人でぼんやりしてた。 大事な場所だったのに、それも奪われてしまった。 本当に今日は人生最悪の日だわ! 涙はいつの間にか止まっていて、冷静になってみると急激にお腹が空いてきた。 とりあえず家に帰って、お母さんの作ったおいしいご飯でも食べて気持ちを落ち着かせよう。 明日、学校行きたくないなぁ。 由美とどんな顔して会えばいいんだろう。 失恋してても腹が減る。 「おかわり!」 「あら、今日はいつにも増して食べるわね。」
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