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「そんなことより、ご家族が捜していたんじゃないの?」
先生は慌てて手を引っ込める。
その動きに驚いて
僕の膝の上から猫がピョンと飛び退いた。
「大丈夫。あなたのところにいるってバレてないよ」
「大丈夫って……」
口には出さないが
勘弁してくれよ。
天宮家とトラブルなんてごめんだ――って顔に書いてある。
「ねえ、先生。早く診察して下さい」
それでも
僕の誘惑に勝てるかな?
「でないと身体が――」
「身体が……?」
「悪戯されたくて――ウズウズしてるの」
目の前にぶら下げられたご馳走を
食べずに返せるとでも?
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