第1章

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①主人公の現在・・・制限<逆位置> ②主人公の未来・・・創造 ③主人公の過去・・・躍動 ④援助者・・・理性 ⑤敵対者・・・寛容<逆位置> ⑥結末(目的)・・・頑丈 主人公は総勢2名の反政府軍を率いるリーダー。 禁止事項だらけの窮屈な世の中に辟易し、日中は真面目な学生を演じ、 夜になると反政府活動を行っていた。 活動内容は主に、街を全裸で徘徊し、出会った人々に現在の政府の愚かさを説き、反政府軍へのスカウトを試みることだった。 反政府軍の最終目標は、現政府を打倒し、境界線のない国を作ることだった。 境界線が何の境界線なのかは、リーダー自身よくわかっていない。 彼が政府を打倒することを決めてから1週間、彼の活躍は目覚ましく、 既に町内で主人公の存在を知らぬものはいなかった。 主人公には心の底から信頼できる仲間がいた。 その人物は組織のNo.2の男であり、主人公とは幼馴染の関係であった。 彼は主人公が夜に活動を始める前に、予め邪魔が入りにくい活動ポイントを下調べし、 そして主人公が活動を行っている際は、物陰や電柱の上など、都度最適な位置から主人公の活動の様子を写真に収め、 その写真をネットにあげることで、組織の存在を世界にアピールすると同時に、ブログの閲覧数を増やして広告収入を得ていた。 主人公らが活動を始めてから1週間が経ったある日、ついに政府軍が対抗策を講じ始めたとの情報が入った。 政府軍は主人公らの存在を決して許さないと、軍事国家を彷彿とさせるような強いメッセージを町内に向けて発信した。 この声明を受けた主人公らは、街頭演説さえ許されないこの国の腐敗のほどを嘆き、より一層活動に力を入れる事を固く誓う。 政府軍との小競り合いが始まり3日が経った日の事、No.2が逮捕された。 容疑は猥褻画像をアップロードした罪とのことだが、当人には身に覚えのない事であったので、 ネットで公開している反政府活動に民衆が感化されることを防ぐため、嘘の罪状をでっちあげ、彼の活動を止めることが目的だったのだろう。 反政府軍の奪還行動を警戒してか、政府はNo.2を警戒態勢の強い刑務所に収容した。 流石の主人公もそこからNo.2を奪還することは難しく、今は涙をのみ、反政府軍としての活動を一時休止することとした。 しかし胸の内に滾る思いは消えておらず、何時の日か国を作り直す事夢見ながら、普通の学生として日々を過ごすのであった。
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