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なんか、さっきの人と違って、気さくな人だな。
そう思った時。
コンコン。
コンコン。
ん?ノック?誰か来たのか?
「あ、夏乃かな」
「夏乃…?」
「ん?ああ、夏乃。ま、私の助手みたいな子」
助手………。
「一ノ瀬君、悪いんだけどもう少しだけここにいてくれない?」
え?
「君1日じゅうここにいたから、証明書書かなくちゃ。私も手伝うけど、夏乃が来ちゃったからその後でもいい?」
なるほど。
まあこの際どれだけ居ても一緒だ。
「はい、いいですよ」
俺の返事を聞くと
「ん!さんきゅ!じゃ、あとでね」
そう言ってカーテンを閉めて出ていく。
白衣の後ろ姿を見送ると、制服のポケットを探る。
「…ケータイケータイ…」
スマホを取り出したが、ふと考える。
……いや、ちょっと待て。
せっかくだし………
少し様子を見てみるのもありなのではないか。
助手なんてやるのがどんな子なのか、気になる。
少し趣味が悪いような気もしないでもないが、好奇心には勝てまい。
決して美人を眺めたいだとかそんなことは思ってないぞ。
まあ、あの教師に知られたらまたしつこく笑われることになりそうだが…。
………ま、バレなきゃ、いいだろう。
ここは、思いきって覗こう。
「……失礼しまーす」
一応そう言って、ベッドの上を這って、隅へ行き、カーテンに手をかける。
そっと、ほんの少しだけ、カーテンを開く。
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