青いクラゲ

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「こんなクラゲ見たこと無い。おまえ、どっから来たの?ずっと漂ってた?海の中めっちゃ綺麗なの知ってる?見せてやるよ」 おかしなニンゲン。 長いこと海を漂っているわたしに、海の中見せてやるよって……。きっと私の方が海のことは知ってる。水中から見上げる海面が美しい事も、私の身体を通り過ぎていく陽光が何度も屈折することも、そして荒れ狂う海が恐ろしいことも。 けれど、わたしは海の中を見たことが無かった。いつも海面を見つめて漂うばかりだった。 彼は有無を言わさず、わたしを連れて海中へ潜る。 網の中から、わたしは海中を見つめていた。 白の砂がどこまでも続く。 屈折した光は海底の砂をキラキラと輝かせていた。 色とりどりの魚たちが泳ぎ回る。 ひらひらと、くるくると。 白の珊瑚を中心に踊る。 青や赤や紫、黄色に黒。 降り注ぐ光が彼らを祝福した。 どう? そんな顔をして彼はわたしを見る。
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