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「草一朗、そろそろ起きろ。」
陽介の声を聞いて飛び起きた。
「いま何時!?」
「10時。」
「…何回起こした?」
「3回。」
「ごめんなさい…」
陽介は怒っているのかこちらを見ずに、キッチンでウロウロしている。
謝る以外の言葉は出てこない。
「とりあえず、飯食おう。」
借りていたソファーで正座をしていると、朝食が目の前に置かれた。
ご飯、味噌汁、焼き魚、卵焼き、ほうれん草のおひたし。
陽介の女子力の高さに、ただただ驚きを隠せない。
「お前、女の子にいつもこんなことしてんの?」
「まさか。家に女の子を入れないよ。」
…それもどーなの?
自分は朝はパン派だ。
パンが好きだからじゃなくて、作る時間がないから。
めんどくさいしね。
久しくこんなちゃんとした朝食は食べていない。
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