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「ごめん、もっといろいろ聞きたかったけど今日は約束があるんだわ。またゆっくり話そうな。」
不満顔の二人に後ろ髪を引かれながら駅へ向かうと、陽介がもう待っていた。
「ごめん、チビらに捕まってた。」
「久々に会えて嬉しかったんだろ。」
「それがさ、鈴音に好きな子できたんだと。その好きな子が、サッカー上手くて響也のライバルらしい。」
「まじで。響也の反応は?」
「俺の方がうまいのに鈴音があいつばっかり褒めるって怒ってた。」
話を聞いて陽介は大笑いしているが、俺は面白くはない。
鈴音は妹だが年が離れている分娘のような感覚で、親父よりも溺愛していると思う。
出来ればかわいい弟妹が、傷つかず道を外れず人生を歩んでくれたら…と思うけど。
自分が子供の頃を思い出すとなんとも言えない。
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