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ウェイターに案内された席からは、グランドピアノの置かれたステージが見える。
茅乃は昔から80年代ジャズが好きだと言っていて、仲良くなったきっかけも音楽の話からだった。
いつも音楽を聴きに来ているのかな。
少し会わない間に、茅乃が大人になってしまった気がして、嬉しいような寂しいような…不思議な感じだ。
「なかなか洒落た店をチョイスしたな。相手は女か…」
「俺が予約したわけじゃないから。でも相手が女なのは合ってるよ。さすがだね。」
そんな会話をしながらメニューを見ていると、さっきのウェイターがシャンパンを持ってやってきた。
「お連れ様より、先に飲んでいて欲しいとの伝言がございました。」
居酒屋のように、とりあえずビールで!とはいかないらしい。
俺はあまり飲んだことがないが、向かいに座る色男は嬉しそうにしていた。
そういえば、最近の夢はシャンパンの風呂に入ることだって言ってた気がする。
いつも少年のようなのに、女性といると絶対そんなことは言わない。
こっちの方がモテそうなのに。
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