branch 2

12/17
前へ
/37ページ
次へ
ウェイターに案内された席からは、グランドピアノの置かれたステージが見える。 茅乃は昔から80年代ジャズが好きだと言っていて、仲良くなったきっかけも音楽の話からだった。 いつも音楽を聴きに来ているのかな。 少し会わない間に、茅乃が大人になってしまった気がして、嬉しいような寂しいような…不思議な感じだ。 「なかなか洒落た店をチョイスしたな。相手は女か…」 「俺が予約したわけじゃないから。でも相手が女なのは合ってるよ。さすがだね。」 そんな会話をしながらメニューを見ていると、さっきのウェイターがシャンパンを持ってやってきた。 「お連れ様より、先に飲んでいて欲しいとの伝言がございました。」 居酒屋のように、とりあえずビールで!とはいかないらしい。 俺はあまり飲んだことがないが、向かいに座る色男は嬉しそうにしていた。 そういえば、最近の夢はシャンパンの風呂に入ることだって言ってた気がする。 いつも少年のようなのに、女性といると絶対そんなことは言わない。 こっちの方がモテそうなのに。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加