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俺がこの高校へ通うことに決まってからは、凄まじい特訓の連続だった。
血反吐を吐き、時には辛くて涙で枕を濡らすことも……。
その甲斐あってか、登下校の道のりはなんとか覚えた。電車通学じゃなくって本当に助かった。
俺と同中で(※地域によってはドーチュウと言う奴も居る)、昔から俺が方向が音痴なことを知ってる阿久津が、家も近かったので毎日一緒に登下校してくれることになった。ありがたーい奴なんだ。
春休み中(俺はこの期間の正式名称を知らない)阿久津は、高校入学までに覚えろよ。と、チャリで行き来きするという予行練習まで毎朝開いてくれた(お寝坊した日は昼だ!)そのお陰もあって道順はおぼろげながら覚えることが出来た。持つべきものは友だ。宿敵と書かない方の友だ。
教室までの道のりや、校舎内の道順に関しては只今特訓中だ!
駐輪場から、入口、そこからどう行くか、何度も確認しながら反復してる。まだ入学して数日だから完璧じゃない。やっと這い這いが出来るようになったところか? つかまり立ちのご卒業はまだまだ先だ。
トイレは教室から近くて俺は一発で覚えた!
皆軽く考えがちだが、トイレは大事だ。この年齢で漏らすと一生『うんこマン』の称号を与えられ、いつの日にか開催されるであろう <同窓会> とかいう名の出会いの場? でもその名前で呼ばれる恐れもあるらしい。非常に恐ろしい儀式にまで影響を及ぼすのだ。
教室の移動は同じクラスの奴にコソコソついていけば良い。
体育館とプールはデカイから、一目で分かる! 行きは良いんだが、帰りが怖い。つまり全般的に校舎がゴチャっとしてて分りにくい構造だ。
──ふらっと、一度校舎の外に出ようものなら、お昼のひと時を格好つけて黄昏れて帰っきた日には大変だ。校舎に入っても、自分がどこを歩いてるのか分からなくなる。
阿久津が言うには「校舎に入る」と言う俺の考え方がダメらしい。
「校舎に帰ってきた」と考えるのが正しいんだとか。
理由を聞いたら、毎回行きだけしか考えてない感じが方向を音痴にさせてる元凶じゃないかと言う。
そんなもんなのか……。いまいち俺には阿久津の喋る言語が理解出来ない。
「おーい!」
「おーぃ! 阿久津ー!」
心の叫びだッ。
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