小さな公園

「？　場所間違いとかか？」
「いや。案内前にそこなんじゃって話をしてたら、他にも、その公園にＸＸさんがいたのを見たって奴が何人かいたから、場所は確実だった。でも現場に行ったら公園なんてなかったらしいんだよ。近所の人に聞いたら、三年前まではあったけど、道路の拡張で取り壊されたとかでさ」
「じゃあ、ＸＸさんのいた公園て、何だったんだ？」
「それがまったく判らなくて、今、社内中その話で持ちきりだ」

＊　＊　＊

　もう、家に帰る気力もない。
　もう、誰にも会いたくない。
　このままずっと、この小さな公園のブランコに、静かに静かに揺られていたい。
　きぃ。
　きぃ。
　きぃ…。
　もう、ずっとこのままで…。

小さな公園…完