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土曜日。
今日はデートだ。
…………………………亮と。
俺は南高の友達と学校以外で会ったりしないから、休日に相手してくれるのは亮ぐらいしかいない。
昨夜の電話での誘いはこんな感じだ。
『正貴!明日暇だろ?ちょっと付き合えよ』
全く、俺を都合のいい男だとでも思っているのか?
彼氏やら彼女がいる時には連絡ひとつ寄越さないくせに。
そう言いながら、俺も気分転換したかったから、亮からの誘いは満更でもなかった。
学校外では優等生を気取る必要もない。
素顔の俺でいられる貴重な休日を満喫しないとな。
マンションの前で落ち合うと、俺の姿を見て亮が豪快に笑う。
「なんかそっちのが久し振りだな!前はこれが普通だったのにさ。やっぱりあの眼鏡とオールバックやめたらどうだ?俺またお前の彼氏になってやってもいいぜ。今のお前だったら邦都のダチにも自慢できるし……」
「いいよ間に合ってるから。俺は卒業まで優等生やめるつもりねーよ。もうアレが俺のスタイルとして定着してるんだから。今更目立つようなまねは御免だ」
あれはあれで結構気に入ってるんだぜ?
モテないわけでもないし、真面目を武器にして断るのも楽だし。
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