アイツの眼鏡に適う男になりたい②

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土曜日。 今日はデートだ。 …………………………亮と。 俺は南高の友達と学校以外で会ったりしないから、休日に相手してくれるのは亮ぐらいしかいない。 昨夜の電話での誘いはこんな感じだ。 『正貴!明日暇だろ?ちょっと付き合えよ』 全く、俺を都合のいい男だとでも思っているのか? 彼氏やら彼女がいる時には連絡ひとつ寄越さないくせに。 そう言いながら、俺も気分転換したかったから、亮からの誘いは満更でもなかった。 学校外では優等生を気取る必要もない。 素顔の俺でいられる貴重な休日を満喫しないとな。 マンションの前で落ち合うと、俺の姿を見て亮が豪快に笑う。 「なんかそっちのが久し振りだな!前はこれが普通だったのにさ。やっぱりあの眼鏡とオールバックやめたらどうだ?俺またお前の彼氏になってやってもいいぜ。今のお前だったら邦都のダチにも自慢できるし……」 「いいよ間に合ってるから。俺は卒業まで優等生やめるつもりねーよ。もうアレが俺のスタイルとして定着してるんだから。今更目立つようなまねは御免だ」 あれはあれで結構気に入ってるんだぜ? モテないわけでもないし、真面目を武器にして断るのも楽だし。
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