アイツの眼鏡に適う男になりたい②

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高校生らしくハンバーガーショップでランチ。 もしここで南高生に会ったとしても、俺だと気付かれる事はないだろう。 今日はカラコンもしてるからな。 久々の亮とのデートではしゃぎ過ぎたかな、俺。 息抜きなんだし、このくらいイイだろ? 「あのさ、今日親父の病院に届け物頼まれてるんだ。一緒に行ってくれるだろ?」 亮の父親は邦都市でも大きくて有名な『本宮総合病院』の院長だ。 俺の家族のかかりつけ病院でもある。 「いいけど、何を届けるんだ?」 「さあ?この封筒を渡すだけでいいってさ。でな、ついでってわけでもないけどもう一つ。俺の従弟が入院してるから見舞いも兼ねて」 従弟?前に聞いた事がある、アイツか? 同い年の。 「本宮要(よう)だっけ?慈愛高校に行ってるとかいう……」 「ああ要じゃないんだ。要は父方の従弟だけど、入院してるのは母方の従弟で優太(ゆうた)っていうんだ。因みに小学5年生」 要ってやつに会ってみたかったけど、違ったのか。 いとこ同士で、亮と同じ"バイ"だなんて、興味があったんだけど、ちがったのか。 「その優太ってやつもまさか、お前と同類?」
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