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「おい、俺のいとこはみんな"バイ"だと思ってるんじゃないか?俺と要だけ特別なんだよ。優太はノーマルだから安心しろよ。小学生なんだからな、そんな話題持ち出すなよ」
「そうか、分かったよ。お見舞い持って行かなくていいのか?」
「毎回持ってくと叔母さんから恐縮されるんだよ。だから親父に用事ってのがメインで、見舞いはついで。今日は顔見に行くだけでいいんだ。……結構長いからな、優太の入院」
小学生で長い入院か。
話し相手になってやれればいいのかも知れない。
病弱で弱々しく儚げなイメージを、このあと思いっきり覆されることになるとは……。
病院に着き、外来受付で亮が封筒を渡してから、小児科病棟へ。
長期入院というだけあって大部屋ではなく個室だった。
病室のネームプレートを見ると『城ヶ崎優太』と書いてある。
………城ヶ崎?……まさかな。
「優太!来てやったぞ。元気そうだな」
「なーんだ、亮か。そろそろプリンが来るころだと思ってたのに。暇そうだな相変わらず」
「まーまー本当は俺に会えて嬉しいくせに。素直じゃないっていうか…。今日はダチの正貴も一緒だぜ!どう?イイ男だろ」
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