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「ああ悪いな、コイツが生意気なのは姉貴譲りなんだよ。な、優太」
姉貴?それってまさか…。
「うるせーよ。かほると一緒にするんじゃねーよ!」
かほる……城ヶ崎かほる。
もう決まりじゃねーか。
ガラガラガラ!!
なんて、病院のドアだからそんなうるさい音なんてしないが、イメージ的にそんな音でもしたかのような勢いで病室のドアが開けられた。
お約束よろしく、そこに立っているのは……。
「アンタたちうるさい!!ここは病室なんだから静かにしなさいよ!!」
腰に手を当て仁王立ちしている彼女は、いつも俺が学校で見ている姿とはちょっと違ったジョーだった。
どっちかってーと、夢で会う"かほる"のイメージに近いな。
ノックもなく、突然の襲撃に少なからずビックリしてる俺たちを睨みつけるように見ていたが、俺を見て訝しげな表情になったジョー。
参ったな………。
まさかこんな形で自爆するとはさすがに想定外だった。
しかしバレてしまったものは仕方がない。
やはり早急に計画を立てておくべきだったのだ。
「……ていうか、お前が一番うるせーよ……」
自分の失態を棚に上げ、ジョーに八つ当たり丸出しの苛立ちをぶつけてしまう俺。
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