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指摘されてバツが悪くなったのか、しまった!という顔で肩を竦めたジョー。
病室の入り口で突っ立ったままだったが、やっと中に入ってきた。
今日はポニーテールじゃないんだな。
おろしてある髪はストレートで肩より少し下くらいの長さだ。
私服姿を見るのももちろん初めてだけど、いつもの見慣れたセーラー服とはまた印象が違って少し大人っぽく見えなくもない。
女の子らしい甘めのワンピースに上からGジャンを羽織っている今日のスタイルは、とてもよく似合っていると言わざるを得ない。
あんまりジロジロと観察する訳にいかず、一瞬で脳裏にジョーの姿かたちを焼き付けた俺のスーパーコンピューターが弾き出した解析結果は……合格。
それしかないだろ?
「亮ちゃん来てくれたんだ…ありがとう。そして、あの…」
俺の方にジョーの視線が向いているのを感じるが、まだ堂々と目を合わせる勇気がでない。
バレてしまった以上、腹をくくるしかないが……。
「いや、近くに用事があってさ。ついでだったからコイツにも付き合ってもらったんだ。幼馴染みの正貴だ」
亮のヤツ、この微妙な空気を感じていないのか?
しれっと俺のことを紹介しやがったな。
「どーも」
今の俺には、これが精一杯だ。
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