アイツの眼鏡に適う男になりたい②

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「ざーんねん!俺もう持ってるもんね!!ほら、ジャジャーン」 優太はさっき俺がやったコミックを出して、ジョーに見せた。 してやったりのドヤ顔で……。 「え、なんで!?これ今日発売だって本屋のお兄さんが…」 まさか優太が同じものを既に手に入れているとは思ってもみなかったであろうジョーの動揺っぷりが笑えるが、俺のせいだよな。 それよりも、本屋のお兄さんだと? 学校以外にも危険は潜んでいるという事を改めて知らされる俺。 「マサキがくれたんだ!超嬉しかったぜ!!だから、かほるのは要らない」 ジョーが優太のために買って来てやったのに、余計な事をしてしまったか? 「わ、私だって要らないわよ!本屋さんに返しに行く!」 子ども相手に大人げないなと思わないでもないが、これが本当のジョーなんだろうな。 プンスカ怒っている姿なんて見るのは初めてで、可愛く映るのも色眼鏡で見てしまうからなんだろう。 今日は眼鏡はかけていないけど。 カラコンだから色眼鏡っていうよりカラーレンズ…か。 なんてどーでもいい事を考えつつ、俺の右手は素早くコミックを手にしているジョーの左手を掴んでいた。
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