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驚いてビクッと固まったジョー。
「要らねえのなら、俺がもらう」
有無を言わさずコミックを奪った代わりに、ポカンと見ているジョーに言葉を投げかける。
「なんか文句ある?俺が優太にやったんだから、これでチャラだよな?」
だってそうだろ?
本当なら俺は自分のためにコミックを買ったわけで、ジョーは優太のために買ったんだろ。
それが入れ替わっただけ。
俺にしてみれば自分で買ったのよりジョーが買ってきたヤツの方が、価値は上だ。
ジョーが俺のために買ってきてくれたようなもんだからな。
チャラどころか、得してるのも同然。
今のジョーにそこまでの理解を求めるのは酷な話か。
それに本屋に返しに行くって事は、また本屋のお兄さんとやらに会うつもりなんだろう?ジョー。
そうはさせるかってんだ。
しっかり掴んだジョーの左手を離さずに、とりあえずここを出ることに決めた。
「じゃ俺帰るわ、亮。優太またな。で、姉貴は借りて行くから」
掴んでいるジョーの手がビクッと震えたが、離したりするもんか。
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