アイツの眼鏡に適う男になりたい②

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「あの……。マサキくん?何処に行くの?」 な………なんだって?ジョー! いきなりの名前呼びは反則だろ!! コイツ、実は小悪魔なんじゃないだろうな? …などという俺の動揺はひた隠しに隠して余裕ぶってみる。 「正貴くん、か。悪くないな。ところでジョー、推理小説を優太に貸してやるんじゃなかったのか?」 多分忘れてたんじゃないか? 俺もつい今しがた思い出したとこだけど。 すると、思った通り『は!!』っと思い出したように愕然とするジョー。 顔に『忘れてた!!』って書いてあるぞ? 感情がすぐに顔に出るんだな。 その素直さが、ジョーの魅力でもあるんだけど。 「そうだった!せっかく持ってきたのに…。いいや、明日お母さんに頼もう。……って、あれ?」 急に俺の方を向いて、不思議そうな顔……。 顔を見れば何を考えているかだいたい分かるけど……おい? 『なんで知ってるの?』って表情……まさか? 「おい、まさか気づいてないのか!?バレたと思ったから観念して連れ出したのに…。ああ!チクショー!!」
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