アイツの眼鏡に適う男になりたい②

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まさかのまさか…俺だって気付いてなかったのか? それじゃなんとか誤魔化すことだって出来たんじゃないのか…。 ああ、俺としたことが。 「あ!!フィリップ先輩!?」 顔を逸らしていたけど、急に呼びかけられジョーの方を向くと『しまった!!』って顔して口を覆っている。 ………おせーよ。 俺に気付いたジョーは、マジマジと俺を見つめてきた。 『本物?』とでも思って確かめてるってとこだろう。 風が吹いて、金木犀の香りがどこからともなく漂ってくる。 これから先、この香りを嗅ぐたびにジョーを想うんだろうか?俺は。 「すっすみません、先輩…。だって眼鏡………」 そうだな、今日は眼鏡をかけていない。 いつもと違う髪型やこの私服も、今日ジョーに見せる事になるとは思っても見なかった。 初めて素顔の俺を見せる時は、ちゃんとプランを立てて…。 納得のいくような形を演出したかったのに。 どうしてこうなってしまったんだ? 不可抗力だったとはいえ、イラついてしまう。 マジでだせーな。
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