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「まさか、亮の従妹だったなんてな。世間は狭いな」
「あの…先輩、眼鏡は?」
よっぽど気になるのか眼鏡が。
目が悪いって思ってるんだったら当然か?
「ああ…。あれは学校用だ。真面目な図書委員長でいるためのアイテムだよ」
もう隠したって意味ないだろう。
学校での俺は、俺が作り上げた仮の姿だってことだよ。
「じゃ、いまはコンタクトなんですか?」
伊達眼鏡だってことだけはまだ知られずに済みそうだけど。
コンタクト入れてきて正解だったな。
「そうだけど?瞳の色よく見てみな」
見えやすいように顔をグッと近付けてやる。
ちょっとだけ身体がビクついたようだが、興味が勝ったのか遠慮がちにおずおずと瞳を覗きこんできた。
こんなに至近距離で見つめ合ってるなんて、不思議な気分だ。
初対面の衝撃的な衝突を思い出し、笑いが込み上げたが何とか堪える。
吹き出すような場面ではない。
TPOをわきまえるのも大切だからな。
ここは俺にとって大事な場面だ。
準備不足なだけに、ミスはご遠慮願いたい。
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