アイツの眼鏡に適う男になりたい③

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「ただいま」 ジョーと別れて家に帰ったら、亮が俺の部屋で待ってた。 「正貴、今日は付き合ってくれてサンキューな」 「なんだよ、わざわざお礼を言いに来たのか?……違うだろ」 言いたい事があるんだったら、さっさと言えよ。 そりゃ、お前と優太の目の前から消えたんだから、黙ってるのが可笑しいよな。 ジョーの手を掴んでそのまま連れ去ったんだ。 こうなる事は覚悟の上だ。 「かほるも南高だったよな。接点があるとしたら"図書委員"ってとこか?アイツは部活してるけど、お前がやってるの図書委員長くらいだろ。かほるのやつ、病室ではお前のこと気付いてなかったみたいだけど……」 さすが亮。 俺より頭が切れるだけあって鋭いな。 俺はてっきり病室で気付かれたと思っていたのに。 不意打ちのジョーに動揺させられたのがマズったのか。 「で?やっぱりそうなのか?かほるがお前の眼鏡に適った女ってことでいいのか?正貴」 「お前には隠し事できねーな。確かにそうなんだけど、もう一つ付け加えるとしたら……」
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