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「正貴、ご飯できてるわよ!亮くんももちろん食べて行くでしょ?」
母さんがタイミング悪く邪魔してきた。
「いいんですか?じゃあご馳走になります!丁度腹減ったなって思ってたとこだったんだよ。さすがおばさんだな!正貴、行こうぜ」
結局、亮のやつは飯食ったらさっさと自分の家に帰って行った。
ジョーが亮といとこ同士だって解ったけど、だからといって亮に相談とかするのもどうかと思うし。
これは俺自身の問題だ。
今度、学校でジョーに会うのは火曜日か。
月曜日は図書室に来ないだろうけど、昼休みに友達とベンチにやってくるんだろうな。
今までのジョーと友達の会話から察するに、ジョーは間違いなく俺に好意を持ってくれている。
ただし、それは仮の姿の俺。
普段の俺と、学校での俺………。
どっちも俺であることに変わりはないのだけど。
『幻滅なんて……する訳ないじゃないですか……』
本当か?本当にそうなのか?ジョー。
しばらく病室で一緒に居たのに、俺に気が付かなかっただろ。
俺だって解った時のあの驚きようったら。
"信じられない!!"って顔に書いてあったぜ。
仮の姿で騙してたような気分になり、罪悪感を抱いたのは初めてだった。
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