アイツの眼鏡に適う男になりたい③

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俺がジョーに言った台詞と全く同じじゃないか。 「……かほる。お前ってもしかしたら」 「そんなに私が眼鏡を外したところを見たいんだったら、自分で外してみなさいよ」 そうか、この前みたいに俺から外して欲しいんだな? それならそうと早く言えよな。 手を伸ばし、眼鏡に手が届こうかというその瞬間に俺の手は空を切った。 「残念でしたー。私はここよ」 気が付くと、かほるはドアの前に移動していた。 いつの間に? 逃げるんだったら追うまでだ。 俺もすぐにかほるにまた近付くが、眼鏡に手をかけようとするともう、その場にはいない。 躍起になった俺と、あくまで冷めた態度のかほる。 しばらく追いかけっこが続いたが、さすがにヤル気を失くした俺は、ソファーに身体を投げ出した。 俺が諦めたのを知って、今度はかほるのほうから俺に近付いてきた。 フン、どうせまた手を伸ばせば消えるんだろ? もうその手には乗らねーよ。 俺はソファーに横になったまま、目を閉じた。 俺の傍に近付く気配。 かほるが何か言葉を発するのを待ったけど、何も聞こえない。 ……………。 結局我慢できなくなって、目を開けてみた。
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