アイツの眼鏡に適う男になりたい③

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「なぁジョー、お前が言ってた『先輩の眼鏡になりたい』って……どういう意味?」 ビックリして俺を見つめるジョー。 俺がここでジョーたちの会話を聞いていたって、分かっただろ? 「……眼鏡だったら、ずっと先輩のそばにいられるじゃないですか。それに………」 「それに?」 「眼鏡って見えないものを見えるようにしてくれたり、そうじゃなくても印象を変えたり、目を守ってくれたり、役に立ってるでしょ。私も眼鏡のように先輩の役に立てたらなって………」 そうかジョー。 俺の役に立ちたいって思ってくれていたのか。 俺の眼鏡になるってことは…ずっと俺から離れないってことだぞ? 「先輩、ここからテニスコートを見てたんですか?全然知らなかったです……。それに私たち毎日そこのベンチでお昼食べてお喋りして……。それも全部聞かれてたってこと、ですよね?あの、私……」 あーあ、素顔を曝しただけでなく俺の全てを知られてしまったわけだな。 こうなることを望んでいたのか? 俺は……。
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