第2章 出会いは

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黒髪でツリ目なのにどこか優しさを感じる。 私の足は自然と彼の音に つられて歩いていた。 彼の音を聞いているのは数人 だけどみんな一様に聴き入っていた 低く細いふわふわしたなんとも言えない 声でとてもとても悲しい歌を歌っていた。 彼の歌を聴いていた私は いつの間にか泣いていた。 歌が終わったことに気づかず 聴いていた人は私だけに なっていたみたいだ。 ギターを片付け終わった彼が ふっと私の前に現れたのを 彼が涙を拭ってくれるまで気付かなかった。
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