三、生贄

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 ぐー…きゅるるるる…  自分のお腹の虫が鳴く音で、紅はハッと目を覚ました。いつの間にか眠ってしまっていたらしい。  これから得体のしれない化け物に食われるかもしれないというのに、居眠りだなんて…。  しかもお腹までペコペコだ。  朝早くから働いて酷く疲れていたとはいえ、紅は空腹のお腹をさすりながらいつもと変わらない自分の図々しさに苦笑いした。
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