02.恵吾と美咲の罪

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「恵吾先輩と香織さんって、相変わらず仲良いんですよね。あの2人、結婚して‥」 「知ってるよ!」 宇川の説明に、私は思わず声を出す。 「あ、そうですよね。前の職場で一緒でしたもんね。あんなに仲良いのに、離‥‥‥美咲さん!?」 嫌、聞きたくない! 2人の話なんて、聞きたくない! 私は咄嗟に耳を抑えて、その場にしゃがみ込んでしまっていた。 「美咲さん、大丈夫ですか!?」 自分が信じられなかった。認めたくなかった。許せなかった。 恵吾と香織の仲の良さを見せつけられて、動揺することなんて、あってはならないことなのに。 まさか自分がこんなにもまだ恵吾に執着しているなんて。 自分から関係を終わらせたのに、恵吾と彼女との関係を受け止めきれていなかったなんて‥‥。 「美咲さん、本当に大丈夫ですか?」 宇川の心配そうな声に、自分の駄目さ具合が身に染みる。 「ごめんなさい……。ちょっと貧血を起こしたみたいで……」 立ち上がった私の顔を見た宇川が「すごく顔色悪いですよ」と心配する。 「ありがとう。でも時間が立てば、きっと治ります」 私は無理やり笑顔を作って、一歩一歩進む度に心を落ち着かせながら、ゆっくりと席に着いた。
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