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胸がキュッと閉まるような息苦しさを感じて、私はハッと目が覚めた。
窓の外はもう明るい日差しが差し込んでいて、朝を迎えていることを知らせていた。
流れていた映像をいきなり消された時のような違和感が頭に残っていて、樹生の声も聞こえてくるような気さえする。
私は窓から視線を手元へと移して、まだ気持ちよさそうに眠っている娘の寝顔を眺め、髪の毛を撫でる。
樹生は朝早く仕事に出掛けたらしく、自宅内に姿が無かった。
樹生は私と顔を合わしたくなかったのかもしれない。
そのことを受け止めたくなかった私は何も考えないようにと慌ただしく朝の支度をして、めぐみを保育園まで送り出した。
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