第1章

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ここで玄関を開けたら、そのまま刃物で一突きとかされるんじゃないか? ・・・少し飛びすぎか。 もし本当に、用事のあるまともな人間だった場合、ここでスルーして困るのは俺だ。 とりあえず玄関を開くことなく声をかけることにした。 「どちら様?」 返ってきた言葉は疑問を決定付けるものだった。 「隣に越してきたタチバナと申します!」 顔をあげることなく答えた彼女。 決まりだ、不審者だ。 このマンション、誰かが引っ越してくる場合、管理人から書類が送られてくる事になっている。 そんなもの、俺は見ていない。 「そうですか、そんな話聞いてないのでお帰りください」 「えっ!?管理人さんが書類送っておくって言ってたのに・・・」 ん?この話を知ってる・・・? そう言えば今朝はポストの中身を確認していない。 急いで確認してみれば、管理人からと一目でわかる書類が確かに入っていた。
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