プロローグ

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ボーッとしていたせいだろうか。 いつの間にか、駅前の大きな交差点に出てしまった。 あの日から避けていたこの交差点。   電信柱には慎ましく下を向いた紫色の花が立っている。 私は唇を噛みしめた。 人を信用できなくなった私を生かしていたのは、ただの意地。 今日まで死んでたまるかと思って生きてきた。 だけどもう疲れた…。
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