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「ははっ、冗談はやめてくれよ」
「冗談ではない。それに、これはお祖父様の意向でもある」
それを言われると俺も困ってしまう。じいちゃんには世話になってるし、尊敬もしている。なによりも俺はじいちゃんが好きだから、迷惑をかけたくなかった。
確かに一般科へと移ったとき、少し残念そうな顔をしていたな。あのときは自分のことしか考えられなかったけど、俺だってじいちゃんを悲しませたいわけじゃないんだ。
「じゃあコミュニティの件は? 作った覚えはないんだが……」
「薫に言われて作っておいたぞ! ほら、メンバー証だ!」
そう言って、姉さんは俺にカードを渡してきた。それは、今朝から見当たらなかった俺の学生証。背景の色が一般科の緑色から、軍事科の黄色に変わっていた。
【コミュニティ:スレイプニル】
プロフィールの中にあるコミュニティの欄にそう書いてある。そしてリーダーも、薫が言っていた通り俺になっている。
学生証に触れ、コンソールを出す。暗証番号を入力し、コミュニティの詳細を出した。
「おい、でもメンバーが薫しかいねーぞ……」
「これから増やしていこうね! 兄さん!」
「腕にしがみつくなよ暑苦しい!」
「俺様をノケモノにして楽しそうに会話してんじゃねーぞ!」
今まで黙っていたヒッグス。だが、額に浮き上がった血管が激怒を物語っていた。
「まあそういうことなんですよヒッグス先輩。申し訳ありません」
「別に謝る必要はねえだろ。これからキャプチャーバトルを申請すりゃいいだけだ」
額に浮き上がる血管はそのままだが、妙に冷静な口調だった。
「スレイプニルにキャプチャーバトルで勝ち、僕を奪取すると」
「まだ新参のチームなんざ、ランキングバトルで勝っても意味ねーしな。こっちのランキングが上がらないような無駄な勝負はしねーよ。先生、承認してくれ」
「いいだろう、学生証を出せ。当然、語もな」
「俺はまだやるとは――」
「メンバーが二人だからって、舐めない方がいいですよ?」
この流れを切ろうとしたのに、なぜ薫は挑発しているのか。
「なんでお前はそんなに強気なんだよ! 二人でなんともならない競技でも出たらどうすんだよ!」
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