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「そういうときこそ助っ人参上ってな」
「ようやく語がその気になったんだもの、私たちだって手伝うわよ?」
ケージの中に入ってきたのは二人の男女。中等部時代からの友人だ。
「京介はどうでもいいが、望未までいたのか」
「おい! 俺のことバカにしてんだろ!」
「最初は騒ぎを聞きつけただけだったんだけどね。こうなっちゃったらやるしかないでしょ?」
「二人とも俺の話を聞けよって!」
京介はこの際無視しよう。
高等部になったとき、俺は軍事科にいた。紫宮京介と徳倉望未(とくらのぞみ)は中等部時代からの友人であり、同じコミュニティにも所属していた。望未はお節介だがリーダーシップがあり、とても頼りになる人物だ。ウェーブがかった長髪を後ろで結い、メガネをかけ直す姿が様になる。スタイルもいいが、どうしても女性としても見られないは性格のせいか。
「お前らだってコミュニティがあるだろう? 所属コミュニティ以外でのコミュニティストラグルはご法度じゃなかったか?」
「は? 俺はいつ新しいコミュニティに入ったって言ったよ」
「私も同じね。あれからずっと一人で寂しい思いをしてたわ」
「そういう言い方やめりろよ、勘違いされるだろうが。でも、コミュニティに入ってた方が成績だってよくなる。シングルバトルや筆記だけじゃ限界があるだろうに」
「問題ないわ。私は元々成績はいい方だったしね」
「俺は結構きつかったけどな。それでも、また戻ってくるんじゃねーかって、俺も望未もそう思ってたんだよ」
「お前ら……」
つい口ごもってしまう。
俺の意思で戻ったわけじゃないにしろ、こういうのも悪くないと思った。
「感動はまた今度にしろよ? 今はそれどころじゃねえ」
「そうね、落ち着いてから仲間のありがたみを知りなさい」
「お前らホントバカだわ」
頭に手を当て、俺はそう言った。戻ってくるかどうかもわからない俺を待っていたなんて、バカとしか言いようがない。間違っても「ありがとう」なんて言えなかった。おそらくだが、そんなことを言ったら一生イジられる。
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