33人が本棚に入れています
本棚に追加
バカ発言を聞き、京介は開いた口が塞がらない様子。だが、望未はそうじゃなかった。
「はいはい、京介だってなんとなくわかってたでしょ? 待ってたのは私たちの勝手なんだから」
「ま、そりゃそうだ」
俺たち三人の性格はバラバラだ。が、性格的な共通点はある。
「いつも通り、テキトーだな俺ら」
俺はそう言った。二人もそれはわかっているから、特に反論はないようだ。
「先生、俺たちもスレイプニルに入るぜ。認可を頼みたい」
姉さんはほくそ笑み、二人の学生証を受け取った。教員が常に持っているカードリーダーに差し込み、一枚につき数秒の操作を行った。
「ようやくお前たちもコミュニティに入ったな。このままだと留年だったぞ?」
「ごめんね奉ちゃん」
「ま、二人とも語の理解者だ、許してやろう。それとな、もう一人メンバーがいるんだ。出てこいリゼット」
人混みの中から、金色の長髪をなびかせた少女が現れる。タイは俺たちと同じ赤だ。
その歩みはしなやかで、淑やかで、上品さが感じられる。瞳は澄んだエメラルド、肌は雪のように白く、とても美しい。制服の上からでもわかるほどに胸が大きく、それでいて細い。スカートから伸びる長い足はストッキングで覆われ、それもまた非常に艶やかに見えた。身長は望未と同じくらいで、俺よりも頭一つ分低い。
「リゼット=サリファ、今日からこの学校に編入してきた。リズと呼んで欲しい。転入してきた目的は、語のそばにいたかったから」
彼女は今なんと言ったのか。無表情で、サラッとすごいことを言ったような。
「ちょっとよく聞こえなかったんだが」
「それじゃあもう一度言おう。語の伴侶になりに来た」
「更に飛躍したんだが」
「おい語、この美人は一体誰なんだ? お前とはどういう関係なんだ?」
「私も聞きたいところだわ」
「当然僕だって聞きたいよ! 僕を差し置いてなにを考えているんだ! 無断に兄さんの伴侶になるなんて許せない!」
最初のコメントを投稿しよう!