対峙と思惑

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8月の中旬を過ぎた ーーーある日曜日 まだ朝の早い時間 俺はある場所に立った… 辺りは静まり返り 喧騒から遠のいている そこは各々の墓石が建ち並ぶ 都内の小さな墓地 桶に水を張り その墓石を丁寧に磨いて 持参した花を手向ける 手を合わせて、瞼を閉じて… ーーー墓参り… それは亡くなった故人を悼むこと 俺が佇む目の前の墓石には 『三沢家之墓』と彫られていて… ここには… 三沢永遠子の両親が眠っている… ・
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