対峙と思惑

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『葛藤』の中に 紛れ込んだのは5年前の出来事だった 『…こんな状態になってね… 初めて…あなたを…許せる気がするの…』 そう告げたのは… 病床に就いた永遠子の母、三沢可南子だった ーーー5年前… 三沢可南子の病状が 徐々に悪くなっている、と知らされた俺は… 三沢可南子に会いに行った 俺が訪れた病院で病室のベッドに 横たわった三沢可南子は… 『…蒼志君… あの子はね…永遠子は… "幸せ"を…見つけられずにいるの…』 昔の面影をそのままに 白く細く力無く、俺に告げた 『…だから…あなたが… 永遠子に見つけてあげて…』 そうしなければ… ーーー『許さない』と ・
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