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「蒼ちゃん…
またムズカシイ本を読んでるの?」
「そうだよ。
だから、今日はまだ一緒に遊べないけど…」
俺がそう言うと君は見るからに
残念そうな顔をした
相変わらず表情がコロコロ変わって…
ーーーすごく可愛い…
…なんて。
単純にそんな事を思いながら俺は微笑んで…
「おいで…トワ」
君は何も言わずに
薔薇を眺めた後に
俺の肩にそっと頭を傾けた
物心付いた時からの条件反射で
俺に寄り添う君の髪を
ーーー優しく撫でる
「トワにも蒼ちゃんの
お手伝いが出来ればいいのに…
そしたら、遊ぶ時間が増えて
いっぱい一緒にいれるのに…」
君は子供ながらに何か
考えていたようにも思えるし
単純な子供の発想とも受け取れた
「いいんだよ、家の為なんだ…
俺がやらなきゃ誰も代わってはくれないから」
俺がそう言うと
君は俺の掌をそっと握った
「トワは蒼ちゃんの味方だよ」
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