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ーーーーーーっっ…
永遠子の何気ない言葉に
俺の心が撃たれたように大きく鳴り響く
君は幼いし深い意味で
言った訳ではないとちゃんと理解してた
でも俺の置かれた立場を
子供ながらに肌で感じていたんだろう
それでも何よりも君の言葉は嬉しくて
こんな俺に力を与えてくれる
“独りじゃないよ”
君はきっと
そう伝えてくれていたんだ
「ありがとう…トワ」
俺がそう言って掌を握り返すと
君は嬉しそうに笑った
「蒼ちゃん…」
永遠子が呼び掛ける声に顔を覗き込むと
小さな手で俺の前髪を優しく梳いてくれる
コレは物心付いた時からの
俺に対する永遠子の癖
「大好き…」
素直に想いを伝えてくれる
幼い君は俺にとって何よりも優しく温かく…
誰より愛しい存在だった…
俺に安らぎをくれる人間は
ーーーいなかったから
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